保険・税金

【2026年版】フリーランスの経費と帳簿づけ入門|確定申告で損しないコツ

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フリーランス・個人事業主にとって、「経費」と「帳簿づけ」は確定申告で税負担を左右する重要ポイントです。結論から言うと、事業に必要な支出を漏れなく経費計上し、日々の取引を正しく帳簿に記録して青色申告を選べば、最大65万円の特別控除で課税所得を大きく圧縮できます(国税庁「青色申告制度」2026年時点)。この記事で分かることは、(1)フリーランスが経費にできるものの一覧と家事按分の考え方、(2)勘定科目の基本、(3)帳簿づけの方法、(4)青色申告65万円控除に向けた記帳、(5)会計ソフトで確定申告を効率化するコツ、の5点です。制度に基づいて中立的に整理します。

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フリーランスの経費とは|「事業に必要な支出」が基本原則

経費とは、事業で収入を得るために直接必要となった費用のことです。国税庁の解説によると、事業所得の必要経費に算入できるのは「総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るため直接に要した費用」および「その年に生じた販売費・一般管理費その他業務上の費用」とされています(国税庁タックスアンサーNo.2210、2026年時点)。

ポイントは「事業との関連性」です。プライベートな支出は経費になりません。逆に言えば、仕事のために使ったと合理的に説明でき、証拠となる領収書やレシートが残っている支出であれば、幅広く経費として計上できます。

経費にできる主なもの一覧

フリーランスがよく使う経費と、それに対応する代表的な勘定科目を整理しました。業種によって使う科目は変わりますが、まずは全体像をつかんでください。

支出の内容 勘定科目 具体例
仕事場の家賃 地代家賃 事務所・自宅兼事務所の家賃(按分)
電気・ガス・水道 水道光熱費 作業に使う電気代など(按分)
ネット・電話 通信費 スマホ代・プロバイダ料金・切手(按分)
移動 旅費交通費 電車・バス・タクシー・出張の宿泊費
備品・消耗品 消耗品費 文房具・10万円未満のPC周辺機器
ソフト・サブスク 通信費/消耗品費など 会計ソフト・クラウドサービス月額
打ち合わせ・会食 接待交際費 取引先との打ち合わせ・手土産
書籍・研修 新聞図書費/研修費 専門書・オンライン講座
外注 外注工賃 デザイン・執筆などの委託費
広告 広告宣伝費 SNS広告・名刺・チラシ
手数料 支払手数料 振込手数料・プラットフォーム利用料
税金の一部 租税公課 個人事業税・固定資産税(事業分)・印紙代

なお、所得税・住民税・国民健康保険料・国民年金は経費になりません。ただし国民健康保険料や国民年金は「社会保険料控除」として、iDeCoの掛金は「小規模企業共済等掛金控除」として、確定申告の所得控除で差し引けます(国税庁、2026年時点)。経費と所得控除は別枠で、両方使えると覚えておくと有利です。

10万円以上のものは「減価償却」になる

1つ10万円以上のパソコンや機材は、購入した年に全額経費にするのではなく、法定耐用年数に応じて数年に分けて費用化します。これを減価償却といいます。ただし青色申告者には特例があり、取得価額30万円未満のものを合計300万円まで、その年に一括で経費計上できる「少額減価償却資産の特例」が使えます(国税庁、2026年時点。適用期限は延長されてきた経緯があるため申告時に最新情報を確認してください)。

家事按分|自宅兼事務所の家賃・光熱費を経費にするコツ

自宅で仕事をするフリーランスにとって欠かせないのが「家事按分(かじあんぶん)」です。家賃・電気代・通信費のように、プライベートと事業の両方に使う支出を、事業で使った割合だけ経費にする考え方です。

按分の割合には「合理的な基準」が必要です。国税庁の考え方に沿うと、次のような基準がよく使われます。

  • 家賃・水道光熱費:仕事に使う部屋の床面積の割合、または使用時間の割合
  • 通信費:仕事での使用時間や使用頻度の割合
  • 自動車関連費:走行距離のうち業務利用が占める割合

たとえば家賃10万円の住居で、40平方メートルのうち10平方メートルを仕事部屋として専有している場合、按分率は25%となり、月2.5万円・年30万円を地代家賃として計上する、という具合です。大切なのは「なぜその割合なのか」を説明できることと、面積図やシフト表など根拠を残しておくことです。無理に高い割合を設定すると、税務調査で否認されるリスクがあります。

勘定科目の基本|迷ったら「継続して同じ科目」

勘定科目とは、支出や収入を分類するためのラベルです。上の表で挙げた「通信費」「消耗品費」などがそれにあたります。初心者がつまずきやすいのが「この支出はどの科目?」という判断ですが、実は科目の選び方に絶対の正解はありません。

重要なのは次の2点です。

  1. 事業に必要な支出であること(科目より、経費性そのものが本質)
  2. 同じ性質の支出は毎年同じ科目で処理する(継続性)

たとえばクラウドサービスの月額料金を「通信費」にするか「消耗品費」にするかは事業者の判断に委ねられますが、一度決めたら毎年同じ科目で続けることで、年ごとの比較がしやすくなり、申告の一貫性も保てます。会計ソフトを使えば、よく使う支出先を登録しておくと自動で科目を提案してくれるため、この悩みは大幅に減ります。

帳簿づけの方法|青色申告65万円控除には「複式簿記」

帳簿づけ(記帳)とは、事業のお金の動きを日々記録していく作業です。確定申告の方法によって、求められる帳簿のレベルが変わります。

白色申告と青色申告の記帳の違い

項目 白色申告 青色申告(10万円控除) 青色申告(55万・65万円控除)
記帳方式 単式簿記(簡易) 単式簿記(簡易) 複式簿記
作成する書類 収支内訳書 青色申告決算書 青色申告決算書(貸借対照表含む)
特別控除額 なし 10万円 55万円/65万円
事前手続き 不要 青色申告承認申請 青色申告承認申請

青色申告で55万円の特別控除を受けるには、複式簿記による記帳と、貸借対照表・損益計算書の作成・添付が必要です。さらに、e-Taxによる電子申告か電子帳簿保存を行うと、控除額が65万円に上がります(国税庁「青色申告特別控除」2026年時点)。つまり65万円控除は「複式簿記+電子申告」が実質的な条件です。

記帳の基本ステップ

  1. 取引が発生したら、日付・金額・内容・相手先を記録する
  2. 収入は売上帳、経費は科目ごとに記録する(複式簿記では借方・貸方に仕訳)
  3. 領収書・レシート・請求書を保存する(原則7年間の保存義務。青色申告者の帳簿・決算関係書類は7年など、国税庁の保存期間ルールに従う)
  4. 月次で残高や売上を集計し、記録漏れがないか確認する
  5. 年末に集計して青色申告決算書・確定申告書を作成する

複式簿記は「1つの取引を借方と貸方の両面から記録する」方式で、手作業だとハードルが高く感じられます。しかし後述する会計ソフトを使えば、日付・金額・科目を入力するだけで複式簿記の仕訳が自動生成されるため、簿記の知識が浅くても65万円控除を狙えます。

青色申告の始め方|承認申請の期限に注意

青色申告をするには、事前に税務署へ「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要があります。提出期限は原則として、青色申告をしようとする年の3月15日までです。その年の1月16日以後に新規開業した場合は、開業日から2か月以内が期限となります(国税庁、2026年時点)。

この期限を過ぎると、その年は青色申告ができず白色申告になってしまいます。開業したら、開業届と一緒に青色申告承認申請書も早めに提出しておくのが安全です。

会計ソフトの活用|確定申告ソフトで記帳を自動化

フリーランスの記帳と確定申告を大きく効率化するのが、クラウド型の確定申告ソフト(会計ソフト)です。手書きやエクセルでの複式簿記は負担が大きいため、ソフトの活用が現実的な選択肢になります。主なメリットは次のとおりです。

  • 銀行口座・クレジットカードとの連携:取引明細を自動取得し、仕訳の候補を提案
  • 複式簿記の自動生成:科目を選ぶだけで借方・貸方を自動作成
  • 確定申告書類の自動作成:青色申告決算書・確定申告書をそのまま出力
  • e-Tax連携:電子申告で65万円控除の要件を満たしやすい

会計ソフトを選ぶときは、(1)自分の申告方法(青色65万円)に対応しているか、(2)使っている銀行・カードと連携できるか、(3)スマホアプリで日々の入力ができるか、(4)料金プランとサポート体制、といった観点で比較すると失敗しにくいでしょう。多くのソフトは無料お試し期間を設けているので、実際の入力画面を触ってから決めるのがおすすめです。

なお、ソフトはあくまで記帳を効率化する道具です。「何が経費になるか」「按分の割合をどう決めるか」といった判断は自分で行う必要があります。判断に迷う支出や高額な取引は、税理士や税務署の相談窓口で確認すると安心です。

よくある質問

レシートしかない支出も経費にできますか?

できます。宛名のない「レシート」でも、日付・金額・内容が分かり、事業のための支出だと説明できれば経費として問題ありません。むしろ手書きの領収書より、品目まで印字されたレシートのほうが内容を証明しやすい場合もあります。いずれも原則7年間の保存が必要です(国税庁、2026年時点)。

家事按分の割合に決まったルールはありますか?

法律で「何%」と定められた固定ルールはありません。床面積・使用時間・走行距離など、事業で使った割合を合理的に説明できる基準で按分します。根拠となる資料(間取り図やメモ)を残しておくことが大切です。

青色申告と白色申告、どちらを選ぶべきですか?

継続して事業を行うなら、税制上のメリットが大きい青色申告が有利とされています。特別控除(最大65万円)に加え、赤字を翌年以降に繰り越せる純損失の繰越控除などの特典があります(国税庁、2026年時点)。ただし複式簿記の記帳が前提となるため、会計ソフトの活用がほぼ必須になります。

経費を多く計上すれば税金はゼロにできますか?

できません。経費はあくまで「事業に必要な支出」に限られ、実態のない架空経費や私的支出の計上は認められません。過大な計上は税務調査で否認され、加算税や延滞税の対象になるリスクがあります。正しく漏れなく計上する、という姿勢が結局は損をしないコツです。

この記事のポイントを踏まえて、次の一歩を

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JACK|2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。NISA・iDeCo・保険・税金・ふるさと納税など、制度に基づいた中立的な比較・解説を行っています。

  • この記事を書いた人

JACK

JACK|2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。NISA・iDeCo・保険・税金・ふるさと納税など、制度に基づいた中立的な比較・解説を行っています。各サービスの数値は公式情報をもとに確認し、公的情報を出典として記事を作成しています。

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