「銀行の普通預金に置いたままのお金を、少しでも増やしたい」「でも、株や投資信託はちょっと怖い」——そんな方にこそ知っておいてほしいのが個人向け国債です。2026年に入って日銀のマイナス金利解除・追加利上げの流れを受けて、個人向け国債の金利は変動10年で年1.55%前後、固定5年では年1.79%前後まで上昇しており、ここ十数年で最も魅力的な水準になっています。
この記事では、投資家として11年以上コアメンバーサロンを運営してきた投資家JACKが、個人向け国債の仕組み・3種類(変動10年・固定5年・固定3年)の違い・メリット・デメリット・どこで買うのがお得かまで、初心者の方でも迷わない形で徹底解説します。読み終える頃には「自分は買うべきか、買うとしたらどこで、いくら買うべきか」の答えが自分で出せるようになっているはずです。
個人向け国債とは?仕組みと基礎知識
個人向け国債とは、国(財務省)が個人の資金を調達するために発行している債券のことです。購入するということは「私たち個人が国にお金を貸す」ということを意味していて、満期を迎えると貸したお金(元本)が戻ってきて、それまでの期間は半年ごとに利息が支払われる——そういうシンプルな金融商品です。
最低1万円から・購入手数料ゼロで買える
個人向け国債の大きな特徴は、最低1万円から1万円単位で購入できる点です。投資信託や株式のように「最低でも数万円〜10万円くらい必要」というハードルがなく、お小遣い感覚でスタートできます。さらに、購入時の手数料はゼロ。口座管理料も基本的にかかりません。投資初心者が「まずは資産運用に慣れる」目的で選ぶ商品として、これほどハードルの低いものは他にほとんどありません。
最低保証金利0.05%が設定されている
個人向け国債には、市場金利がどれだけ下がっても最低年0.05%の金利は保証されるという仕組みがあります。普通預金の金利が0.001%〜0.2%程度であることを考えると、最低保証だけでも普通預金の数十倍という計算になります。「元本割れしづらく、それでも預金よりは利息がつく」という位置づけの、非常に守備的な商品です。
2027年1月発行分から「個人向け国債プラス」に名称変更予定
財務省の発表によると、2027年1月発行分(2026年12月募集分)からは商品名が「個人向け国債プラス」に変更され、販売対象もこれまでの個人に加えて一部の法人にまで拡大される予定です。中身の仕組み自体は現在の個人向け国債とほぼ同じですが、制度としてはアップデートされていくので、「国が個人の資金調達チャネルとして長期的に力を入れている商品」と言えます。
変動10年・固定5年・固定3年|3種類の違いを徹底比較
個人向け国債は現在、「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3種類がラインナップされています。同じ国債でも性格はかなり違うので、特徴を整理しておきましょう。
| 項目 | 変動10年 | 固定5年 | 固定3年 |
|---|---|---|---|
| 満期 | 10年 | 5年 | 3年 |
| 金利タイプ | 変動金利 | 固定金利 | 固定金利 |
| 金利見直し | 半年ごと | なし(発行時固定) | なし(発行時固定) |
| 2026年4月募集金利 | 年1.55% | 年1.79% | 年1.51% |
| 最低保証金利 | 年0.05% | 年0.05% | 年0.05% |
| 中途換金 | 発行1年経過後 | 発行1年経過後 | 発行1年経過後 |
| 向いている人 | 金利上昇を見込む人 | 5年の受取額を確定させたい人 | 数年以内に使う予定のある人 |
変動10年は「これからも金利が上がっていく」と思う人向け
変動10年は、半年に1回、適用利率が市場金利に連動して見直されるタイプです。2026年4月募集分では年1.55%ですが、これは「今後市場金利がさらに上がれば、自分の受け取る利息も連動して上がる」ということを意味します。日銀の追加利上げや長期金利の上昇局面では、変動10年が最もリターンを伸ばしやすい設計になっています。投資家JACKとしては、これから数年の金利動向に自信が持てない方、むしろ金利上昇に味方してほしい方にはこの変動10年を推しています。
固定5年は「5年間の受取額を完全に確定させたい人」向け
固定5年は、発行時の金利が満期の5年間まったく変わらないタイプです。2026年4月募集分では年1.79%と3種類のなかで最も高い水準になっていて、「この先5年間、この金利で塩漬けできるなら十分」と感じる方には非常に魅力的な選択肢です。住宅購入や教育費など5年以内に使う予定のある大きな資金を、ほぼノーリスクで年1.79%で運用できると考えると、普通預金に置いておくのとは比較にならないリターンになります。
固定3年は「短期で安全に眠らせたいお金」向け
固定3年は、満期が3年で金利も固定。2026年4月募集分では年1.51%です。「2〜3年後に住宅の頭金にする予定」「来年〜再来年に結婚式を予定している」といった用途で、期間をあまり長くしたくない資金に向いています。ただし、固定5年との金利差を見ると、3年の固定はやや物足りなさも否めません。用途が決まっている短期資金でない限りは、固定5年や変動10年の方が合理的なケースが多いです。
2026年4月時点の金利と100万円購入シミュレーション
実際に100万円を個人向け国債で運用した場合、満期までにどれくらいの利息がもらえるのか、概算でシミュレーションしてみましょう。税引前の単純計算です(実際には利息に20.315%の税金がかかります)。
| 商品 | 金利(2026年4月募集) | 100万円を満期まで保有した場合の税引前受取利息(概算) |
|---|---|---|
| 変動10年 | 年1.55% | 約155,000円(金利が変わらなかった場合) |
| 固定5年 | 年1.79% | 約89,500円 |
| 固定3年 | 年1.51% | 約45,300円 |
これを同じ100万円を大手銀行の普通預金(年0.1%前後)に10年間置いた場合と比較すると、受け取れる利息は約10,000円。変動10年の個人向け国債を10年間保有した場合、単純計算で15倍以上の利息を受け取れる可能性があるということです。もちろん将来の金利は誰にも分かりませんが、「今の預金金利に納得していないなら、一度検討する価値がある商品」であることは間違いありません。
個人向け国債のメリット5選
メリット1|元本が国によって保証されている
個人向け国債の最大のメリットは、満期まで保有すれば額面金額(元本)が返ってくることです。発行体は日本国。企業が発行する社債や株式と違って、国家が破綻しない限り元本は戻ってくる設計になっています。「守りの資産」として、これほど信用力の高い金融商品はなかなかありません。
メリット2|1万円から買えて手数料ゼロ
すでに触れたとおり、1万円から1万円単位で購入できて、購入時の手数料も無料。初心者が「まずは試してみる」にはうってつけの商品です。投資信託や株式のように値動きを気にする必要もないので、精神的な負担も非常に軽いです。
メリット3|最低年0.05%の金利が保証されている
市場金利がどれだけ下がっても、個人向け国債の金利は年0.05%を下回りません。普通預金の金利がまだ低位に留まっている日本において、この最低保証はそれだけで強みになります。
メリット4|変動10年なら金利上昇の恩恵を受けられる
2024年以降、日銀が段階的に金利を引き上げる流れが続いています。変動10年の個人向け国債を保有しておけば、こうした金利上昇のたびに自分の受け取る利息も半年ごとに見直されて増えていく可能性があります。「インフレや利上げに、ある程度味方してくれる安全資産」という立ち位置が変動10年の強みです。
メリット5|購入キャンペーンで現金キャッシュバックがもらえる
これは意外と知られていないのですが、証券会社各社は個人向け国債の募集時期になると「50万円以上買うと現金○○円プレゼント」「100万円購入で3,000円キャッシュバック」といったキャンペーンを積極的に行っています。国債の利息そのものに加えてキャンペーンの特典がもらえるので、同じ商品を買うなら実質的なリターンを最大化できる証券会社を選ぶのが正解です。
個人向け国債のデメリット・注意点5選
デメリット1|株式や投資信託と比べるとリターンは控えめ
個人向け国債は年1.5〜1.8%程度のリターンを狙う商品であり、株式・投資信託・インデックス投資と比べると期待リターンは明らかに控えめです。長期のインデックス投資では年利5〜7%のリターンを想定することも珍しくありません。「資産を大きく増やす」目的ではなく、「減らさずに預金よりはマシに運用する」目的の商品だと割り切ることが大切です。
デメリット2|購入後1年間は中途換金ができない
個人向け国債は発行から1年間は原則として中途換金できません。つまり、「急にお金が必要になったので解約したい」と思っても、1年以内は手をつけられません。近々使う可能性のあるお金は個人向け国債にせず、普通預金やネット銀行の定期預金に置いておくべきです。
デメリット3|1年経過後に解約しても直前2回分の利息が差し引かれる
1年を過ぎて中途換金する場合でも、ペナルティとして「直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685」が差し引かれる仕組みになっています。つまり、直近1年分の利息は実質的にゼロにされてしまうイメージです。元本割れはしませんが、途中解約は想定したリターンからは目減りしてしまうことを頭に入れておきましょう。
デメリット4|インフレに負けるリスクがある
仮に年2〜3%のインフレが続く局面で、個人向け国債の金利が年1.5%程度に留まった場合、実質的な購買力は目減りしていくことになります。個人向け国債は「元本は守れる」けれど「実質的な資産価値までは守れない」可能性がある商品です。資産のすべてを個人向け国債にするのではなく、あくまで一部を振り分ける使い方が鉄則です。
デメリット5|NISAやiDeCoの非課税制度は使えない
個人向け国債はNISA口座の対象商品ではありません。利息には一律20.315%の税金がかかるため、「税制メリットを最大化して効率よく増やす」観点では、やはりNISAとiDeCoの活用が優先されるべきです。個人向け国債は「非課税枠の外で、守りを固める」役割と位置づけると整理しやすいです。
個人向け国債はどこで買うのがお得?おすすめ証券会社比較
個人向け国債は、大手銀行・地方銀行・ゆうちょ銀行・ネット証券のほぼどこでも買えます。商品自体はどこで買っても利率や仕組みは完全に同じ——ここは非常に重要なポイントです。違うのは「購入時のキャンペーン」。同じ100万円で買うなら、キャッシュバックの大きな証券会社を選ぶのが合理的です。
SBI証券|安定して高水準のキャッシュバックキャンペーン
SBI証券は個人向け国債の募集期間ごとに、購入金額に応じた現金キャッシュバックキャンペーンを継続的に実施しています。NISA口座や株式取引とまとめて資産を一元管理したい方にも、まずSBI証券を開いておくメリットは大きいです。
楽天証券|楽天ポイント経済圏との相性が抜群
楽天証券も個人向け国債の販売時期ごとにキャッシュバックキャンペーンを開催しています。楽天カードや楽天銀行とまとめて楽天経済圏の中で資産管理したい方には最適です。NISAの積立と同じ口座で国債の保有状況まで俯瞰できるのは、精神衛生上も大きなメリットです。
マネックス証券・松井証券も選択肢に入る
SBI証券・楽天証券以外では、マネックス証券や松井証券も、時期によっては高水準のキャッシュバックを提示してきます。普段使っているメイン証券で買うのが管理のしやすさの面では楽ですが、「今回はどこのキャンペーンが熱いか」を募集のたびに比較するのは大切な習慣です。
投資家JACKの個人向け国債 活用戦略|向いている人・向いていない人
個人向け国債が向いている人
投資家JACKとしては、個人向け国債は以下のような方に特におすすめできる商品だと考えています。
- 普通預金に数百万円以上を眠らせていて、「もう少し働かせたい」方
- 株や投資信託の値動きにストレスを感じてしまう方
- 5〜10年以内にまとまった支出予定(住宅・教育・車)のある方
- 退職金を受け取ったばかりで、全額をリスク資産にはしたくない方
- 資産の一部を「絶対に減らしたくない守りのゾーン」として切り分けておきたい方
個人向け国債が向いていない人
一方で、個人向け国債が最適解にはなりにくい方もいます。
- 20〜30代で、長期で資産を大きく育てたい方(→ NISA・iDeCoと全世界株式インデックスを優先)
- 近々使う予定のあるお金しか手元にない方(→ 普通預金・ネット銀行の定期預金が安全)
- インフレヘッジまで含めて考えたい方(→ 株・金投資・不動産も組み合わせる必要あり)
JACK流|資産ポートフォリオのなかでの位置づけ
私がコアメンバーサロンでお伝えしている考え方は、資産を「攻め」「守り」「使う予定のお金」の3つに分けてマネジメントすること。このなかで個人向け国債は明確に「守り」の一部を担当するアセットです。攻めは新NISAと米国・全世界株式インデックス、守りは個人向け国債と現預金、そして近々使う予定のあるお金はネット銀行の定期で分けておく——このくらいシンプルな設計でも十分に機能します。
より実戦的な配分例(年齢別・収入別・家族構成別)や、退職金・相続金を受け取ったタイミングでの組み直しの考え方については、コアメンバー限定で具体的な数字付きのシミュレーションを公開しています。投資歴11年の実体験ベースでの判断軸まで踏み込んだ内容なので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
まとめ|2026年は個人向け国債を活用しない手はない
2026年の個人向け国債は、変動10年で年1.55%、固定5年で年1.79%と、ここ十年以上で最も魅力的な水準に達しています。最低1万円・手数料ゼロ・元本保証(満期保有時)・最低保証金利0.05%——初心者が守りの資産運用を始める商品として、これ以上ないシンプルさです。
一方で、株や投資信託に比べるとリターンは控えめで、インフレに負ける可能性やNISA対象外という弱点もあります。大切なのは、「何のためにそのお金を置いておくのか」という目的から逆算して商品を選ぶことです。攻めの資産はNISAとインデックス投資で、守りの資産の一部は個人向け国債で。そしてどこで買うかは、キャンペーンを比較してその時いちばんお得な証券会社を選ぶ——これが2026年の正攻法です。
まずはSBI証券・楽天証券のどちらかで口座を開設して、募集中の個人向け国債の最新金利とキャンペーン条件をチェックしてみてください。この記事があなたの資産形成の一歩になれば嬉しいです。